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天神様に願いを


天神様に願いを

いよいよ今年も残りわずかとなり、受験が目の前に迫ってきましたね。

真剣に勉強に励む塾生の皆さんを見ていると、こちらも気が引き締まります。

 

さて、いよいよ受験が迫ってくるとやりたくなるのが「願掛け」。

全力を尽くした上で神様仏様に願うのはアリだと思いますし、自分ができる事をすべてやったからこそ、最後に神仏に願おうという気にもなると思います。

 

そこで、今日は学問の神様である天神様についてのお話を一つ。

この神様、もとは怨霊として祀られたのが始まりなんですよ。

 

天神様として祀られているのは平安初期の貴族、菅原道真です。

中学校の社会科では、遣唐使を廃止した人物として教科書に登場していますね。

 

菅原道真は代々続く学者の家系に生まれました。

中でも彼はかなりの秀才だったようです。

若くして文章生(もんしょうじょう、当時の大学生みたいなもの)になり、政治の世界では学者(貴族としての地位はそこまで高くない)であるにも関わらず右大臣まで上り詰めました。

 

しかしそれが周囲の貴族の妬みを買い、大宰府へ左遷されてしまうのです。

大宰府は九州に置かれた役所です。今の様に交通も通信も整っていない時代、京から見た九州はずいぶんと辺境だったでしょう。

そこでの生活も大変厳しいものだったようです。

 

道真の死後、京都では災害や有力貴族の死が相次ぎました。

それを左遷先で亡くなった道真の祟りだと考えた当時の人は、道真を祀ることでそれを鎮めようとしたのです。

 

そして道真は天神様となり、生前の彼の優秀さから、いつしか学問の神様として崇められるようになったのでした。

 

臘月独興  菅原道真

玄冬律迫正堪嗟  玄冬 律迫めて 正に嗟くに堪へたり

還喜向春不敢賒  還りては喜ぶ 春に向ひて敢へて賒ならざるを

欲盡寒光休幾處  尽きなむとする寒光幾ばくの処にか休はむ

將來暖氣宿誰家  来たりなむとする暖気 誰が家にか宿らむ

氷封水面聞無浪  氷は水面を封じて 聞くに浪なし

雪點林頭見有花  雪は林頭に点じて 見るに花有り

可恨未知勤學業  恨むべし 学業に勤むことを知らずして

書齋窓下過年華  書斎の窓の下に年華を過さむことを

 

冬も極まって一年も残り少なくなり、本当に嘆いても嘆き切れない。

一方では喜ぶ気持もある、季節は春に向かい、それが決して遠くないことを。

尽きようとする寒い冬の光は、あと幾箇所で休憩するのだろう。

訪れようとする暖かい春の気は、どこの家で宿を取るのだろう。

氷は水面を閉じ込めて、波の音も聞こえない。

雪は林の梢に積もって、花が咲いたようだ。

こんなことではいけない、学業に励もうとせずに、

書斎の窓の下でむなしく歳月を過ごしてしまうなんて。

(書き下し、訳出典:http://yamatouta.asablo.jp/blog/2010/01/17/4819990

 

 

勉強中に窓の外を眺めてぼーっとしてしまったのでしょうか。

道真14歳の時の作だそうです。




天神様に願いを
芳賀 担当【小中学生:文系・受験 / 高校生:英語】
得意技:習慣の力を利用した自己管理術
好きな食べ物:お好み焼き
趣味:陸上 野球 筋トレ
好きな言葉:習慣の力は無限の力

2021.11.26

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