悪役、端役に注目できる子の国語力との関係。サクセスセミナー進学教室のプロ講師

最近、三宅香帆さんの『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』という本に出会いました。なんと、授業で私が日々実践している内容と共通する点が多く、読んでいてとても嬉しくなりました。
三宅さんは、本や漫画やドラマの鑑賞の技術として「比較・抽象・発見・流行・不易」の5つを紹介しています。私たちの授業でも、これらの技術を意識しながら、生徒たちの考えを引き出す取り組みを行っています。
まず「比較」では、本やアニメの登場人物を生徒自身と比べさせています。これにより、単なる感想ではなく、自分の考えを言葉にする練習ができます。「抽象」の技術では、登場人物の感情や行動の背景にあるテーマを言語化する活動を取り入れています。例えば、悪役や主人公を引き立てる端役などサブキャラクターに注目し、「なぜこのキャラクターはこう振る舞うのか」「主人公とは何が違うのか」と問いかけます。こうした授業を通じて、子どもたちは物語の深い部分や登場人物の心理に目を向けるようになり、国語力だけでなく「考える力」「表現力」も育まれています。意外なことに、キラキラとした主人公以外のキャラクター(『サザエさん』ならタイ子さんや三河屋の三郎さんなど)に注目したり、好きになる生徒もいます。
「発見」の視点では、物語に隠された意味や作者の意図に気づく活動を取り入れています。「なぜ作者はこの順序で書いたのか」を生徒自身に考えさせることで、能動的な読解力を養います。
また、「流行」と「不易」を意識する授業では、現代社会や文化と古典・文学作品を結びつけ、生徒の身近な世界に学びを引き寄せます。変わらないものに新しい要素を加えて想像してみる活動も楽しんでおり、子どもたちが大切にしていることや価値観を知るきっかけにもなります。友達の考えを聞くことで、多様な物の見方にも気づきます。
こうした読解の取り組みに慣れてくると、生徒たちは物事の多面的な面白さに気づき、友達の意見にも集中して耳を傾けるようになります。この力は日常生活のあらゆる場面で生かされると考えています。
登米市の学習塾『サクセスセミナー進学教室』では、このように生徒の考えを引き出す関わり方を授業に取り入れています。答えを教えるだけでなく、問いかけを通して思考力や会話力を育むことが、国語力向上の鍵です。自分の言葉で考えや意見を伝えられる授業は、学習習慣の定着や主体性の育成にもつながっています。
最後に、本書のタイトルにもあるように、「話が面白い人」は話す力以上に聴く力に優れています。おとなが子どもたちの発言をしっかり聴き、解釈し、広げることで、思考力・表現力・会話力を同時に育てることができるのだと思います。登米市で国語力や考える力を伸ばす授業を体験したい方は、ぜひ『サクセスセミナー進学教室』でその効果を実感してみてください。

得意技:苦手な子ほど楽しくなる作文指導。数学的に考える国語読解。
趣味:なまはげ研究と能面
